シド・フィールドが語る「キャラクターの作り方」に必要な4つの要素とは?

映画には主演の役者を観たいために映画を観に行くという見方が存在します。とくにハリウッド映画では、役者すらキャラクターとして捉えられているのです。

とくに肉体派俳優はキャラクターとして捉えられやすいです。なぜなら、演じる役柄が超人的な活躍をする主人公であることが多いからです。

近年もっともキャラクター化に成功したハリウッドスターは、シルベスター・スタローン(Sylvester Stallone)でしょう。

「ロッキー」のロッキー・バルボア、「ランボー」のジョン・ランボー。この2作に共通しているのは、タイトルと役名が同じだということです。そしてこれは漫画にも通じていることです。

観客は主人公と同一化して映画を楽しみます。映画を楽しめるか楽しめないかは、主人公のキャラ設定にあると言えるでしょう。

今回の記事では、ハリウッド脚本術の開拓者であるシド・フィールドが語る「キャラクターの作り方」に耳を傾けてみます。

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キャラクターの作り方とは?

魅力的なキャラクターを作ることは難しいです。コツのようなものがあれば、誰もが知りたいと思うでしょう。

シド・フィールドは脚本の構成に関してパターンというものがあることを示しましたが、キャラクターにもパターンがあると主張しています。

確かにたくさん映画を観ているとよく似ているキャラクターがいます。

脚本の構成はパターンに則って作ればよかったのですが、キャラクターもパターンに則って作れば良いようです。

シド・フィールドの言葉に耳を傾けましょう。彼は魅力的なキャラクターを作る要素を4つあげています。(83Pより)

 

明確で強いドラマ上の欲求があること

シド・フィールドによると、

「明確で強いドラマ上の欲求」とは、「脚本の中で主人公が手に入れたい、成し遂げたいと思っていること、つまり、主人公を動かす力、目的、動機」(84P)

のことです。

主人公にドラマ上の欲求がないと、いったいコイツは何がしたいのだと観客は戸惑ってしまいます。

ストーリーは主人公の行動によって進んでいくものです。その行動に一貫性がないとストーリーが進んでいきません。その行動を一貫させるものが、すなわちドラマ上の欲求なのです。

主人公のドラマ上の欲求は、テーマと密接につながっています。主人公のドラマ上の欲求とテーマをコインの裏と表のような関係だと考えるといいかもしれません。

 

 

独自の考え方、ものの見方を持っていること

「独自の考え方、ものの見方」とは、「世の中をどう見ているのか(=世界観)」のことです。

毎日のニュースで様々な事件が報道されていますが、同じ事件でも我々ひとりひとりの感想や印象は違います。

殺人事件が起きて容疑者を死刑にしろと主張する人もいれば、まだ犯人だと確定していないし犯人だったとしても犯人でも人権があると主張する人だっています。Yahoo!ニュースのコメント欄を読んでいると、さまざまな意見があることが分ります。

その違いが、考え方・ものの見方なのです。

思想・信条などのように大げさなものだけではなく、日常の中にあるちょっとした「捉え方の違い」が、人の考え方や、ものの見方を表しているのです。

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態度や意見を表していること

シド・フィールドは言っています。

「態度とは、意見の表れでありふるまいだ。態度はものの見方とは違って、知的に下した個人的な判断である。たとえば、正しいか間違っているか、よいか悪いか。どちらが優れ、どちらが劣っているか。リベラルか保守か」(87P)

 

態度とは、まさしく行動そのものです。ある態度をとるということは、ある考え方や、ものの見方に応じた結果であります。

つまり、ある態度をとるということは、登場人物の考え方やものの見方が表現されているということになるわけです。

登場人物がある選択をするときに、そこには登場人物の考え方やものの見方が反映されているわけです。登場人物らしさを表現するためには、登場人物にどんどん選択をさせればいいのです。

 

 

変化すること

この変化というのは、登場人物の感情の変化であり、考えの変化であり、ものの見方の変化であります。

「登場人物は脚本の中で変化しただろうか?変化したとすれば、どのような変化か。はっきりと言い表せるか。登場人物の変化をたどれるか。…つまり変化は人生にとって不可欠であり、感情の変化によって行動も変化し、さらには人物像に新たな側面が加わる」(89P)

 

変化することによって登場人物の人物像に厚みが増し、幅の広い人間だと思われやすくなるわけです。

登場人物だけでなく、構成にも変化が必要ですし、物語の展開にも変化が必要です。

脚本作りは、どれだけ変化するように作れるかが勝負です。そして観客にその変化の理由を納得させる必要があります。

 

■明確で強いドラマ上の欲求があること

■独自の考え方、ものの見方を持っていること

■態度や意見を表していること

■変化すること

 

魅力的なキャラクターを作りたければ、上の4つの要素は最低限おさえておく必要があります。

 

 

【引用は以下の参考文献から行いました】

「素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2」(2012)フィルムアート社  シド・フィールド著/菊池淳子訳

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ABOUTこの記事をかいた人

沢村浩平(さわむらこうへい)

大阪府出身。ブログ「面白い物語に魅せられて」管理人

高校中退後に上京。様々なアルバイトを経て、保険調査会社に勤務する。保険の調査をしながら、テレビドラマの脚本や漫画原作の制作に携わる。

とは言っても、ある脚本家や漫画原作者の下書きばかりをしていた。要するにアシスタントである。

最初はテレビドラマの脚本を下書きをしていた。ひたすらプロットを作る日々が続く。ある日、先生に「これ、いいねえ」と言われ、はじめて脚本を書く。先生がそれに手を加えてみると、まるで別の作品になってしまったので、自分の技術のなさを痛感する。

保険調査会社に勤務しながら脚本の下書きを書いていたが、保険調査をしていた関係で、ある漫画原作者から協力を依頼される。

その企画はボツになったが、その後、その漫画原作者のもとで原作の下書きに携わる。潜入取材多数。タイトルは申し上げられないがテレビドラマ化されたものもある。

その後、脚本家の先生はご高齢のため亡くなり、アシスタントをしていた漫画原作者は廃業したため、独立することなく業界から足を洗う。

今現在は、保険調査の仕事をしながら、たまに演劇の自主公演の協力をしたり、専門学校生の自主制作映画の手伝いをしている。