浦沢直樹の漫画作品「マスターキートン」はハリウッド脚本技術の宝庫なのだ

漫画家の浦沢直樹さんと言えば、僕はどうしても「MONSTER」を思い出してしまいます。

あの圧倒的なスリリングな展開と、自己の再生を中心としながらも多様な社会性のあるテーマを含んだこの作品は、直木賞作家が束になってかかって行っても歯が立たないほどの豊かな物語性を示しています。

読んだことのない方はぜひに読んでほしいのですが、全18巻もありますので読了するまで時間がかりますし、続きものですから脚本の勉強がしづらいのです。

そこで代わりの作品をご紹介します。

Sponsored Link

「マスターキートン」は脚本術の宝庫

浦沢さんの過去の作品で「MASTERキートン」というものがあります。これは1話完結型の物語ですし、何より脚本術が凝縮された作品ですので、シナリオや漫画原作を勉強されている方には非常にお勧めできます。

漫画「MASTERキートン 完全版 コミック 全12巻完結セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)」をテキストに使って、脚本術を学ぶことを提案したいと思います。

映画であれ漫画であれ、物語を人に伝え、人を感動させる技術というものは、表現形式が違うだけで、まったく同じものなのです。

脚本を書くために要求されている能力ももちろん一緒です。であるならば、漫画作品も脚本術を学ぶためのテキストに使っていいわけです。

テキストに選んだ理由は、繰り返しになりますが、この作品が1話完結になっているために脚本術を学びやすいこと、物語の作り方が奇をてらうことなくオーソドックスな作りになっていること、題材が幅広く語りのパターンが豊富であることなどから選びました。それに僕自身が何度も読んでいるので。

1話ずつ読み解いていき、面白い部分、感動した部分、「なるほど」と感心させられた部分など、読み手である僕の心を動かされた理由を探っていき、その技術を応用できるまでに普遍化することを試みたいです。

それが普遍化できれば、ブログの読者様が今書かれている脚本に応用できるかもしれません。

正直「MASTERキートン 完全版 コミック 全12巻完結セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)」は脚本技術の宝庫なのです。

作画担当である浦沢直樹氏の作品は、どれも最高のエンターテインメントとなっているのです。

Sponsored Link

ちなみに、僕は浦沢氏の代表作のひとつである「MONSTER完全版 volume.1 (ビッグコミックススペシャル)」こそが、日本漫画界の最高峰だと思っています。

浦沢氏の優れた作劇術の一端を垣間見ることができる記事を書きたいです。

 

原作者は誰なのか?

「MASTERキートン」には少しややこしい事情があるようです。この作品は浦沢さんの作品なのですが、原作付なんですね。

勝鹿北星というかたが原作者のようですが、ただ編集者の長崎氏によると、原作者とされている勝鹿北星さんが原作を仕上げたことはなく、すべて自分と浦沢さんが書いていたと主張されているようなのです。

正直、読者にとっては作品が面白ければどうでも良いことですので、制作秘話のようなものはあまり気にする必要はないです。

 

「マスターキートン」各話

「あらすじ」「解説」「ワンポイント」という3部で構成した記事を、第1話から第3話までの3話分を書きました。

MASTERキートン第1話「迷宮の男」

浦沢直樹【マスターキートン】第1話「迷宮の男」あらすじと解説

2017.01.01

MASTERキートン第2話「天使のような悪魔」

浦沢直樹【マスターキートン】第2話「天使のような悪魔」あらすじと解説

2017.01.02

MASTERキートン第3話「小さなブルーレディー」

浦沢直樹【マスターキートン】第3話「小さなブルーレディー」あらすじと解説

2017.01.03
Sponsored Link

ABOUTこの記事をかいた人

沢村浩平(さわむらこうへい)

大阪府出身。ブログ「面白い物語に魅せられて」管理人

高校中退後に上京。様々なアルバイトを経て、保険調査会社に勤務する。保険の調査をしながら、テレビドラマの脚本や漫画原作の制作に携わる。

とは言っても、ある脚本家や漫画原作者の下書きばかりをしていた。要するにアシスタントである。

最初はテレビドラマの脚本を下書きをしていた。ひたすらプロットを作る日々が続く。ある日、先生に「これ、いいねえ」と言われ、はじめて脚本を書く。先生がそれに手を加えてみると、まるで別の作品になってしまったので、自分の技術のなさを痛感する。

保険調査会社に勤務しながら脚本の下書きを書いていたが、保険調査をしていた関係で、ある漫画原作者から協力を依頼される。

その企画はボツになったが、その後、その漫画原作者のもとで原作の下書きに携わる。潜入取材多数。タイトルは申し上げられないがテレビドラマ化されたものもある。

その後、脚本家の先生はご高齢のため亡くなり、アシスタントをしていた漫画原作者は廃業したため、独立することなく業界から足を洗う。

今現在は、保険調査の仕事をしながら、たまに演劇の自主公演の協力をしたり、専門学校生の自主制作映画の手伝いをしている。